東京藝術大学 音楽学部楽理科/大学院音楽文化学専攻音楽学分野

植村幸生 教授

プロフィール

最終学歴 東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程満期退学(1994)
専門分野 東洋音楽史(特に韓国・朝鮮)、音楽民族学
ソウル大学校に留学、本学助手、上越教育大学助教授を経て現職。小泉文夫記念資料室長。専門は東アジア(特に韓国・朝鮮)の音楽史と民族音楽学。文献・図像・フィールドワークを通じて18~20世紀朝鮮社会における音楽と音楽家を研究。また植民地主義と音楽研究の問題にも取り組む。著書『アジア音楽史』(共編著、音楽之友社1996)『韓国音楽探検』(楽之友社、1998)ほか。
教員一覧のほか次のサイトも参照:http://researchmap.jp/read0180700
Mail: uemura_y☆ms.geidai.ac.jp
☆を@に変えてください。
DSC01717

現在の研究テーマ

1. 朝鮮時代後期における軍楽の社会史
朝鮮時代後期における二種類の軍楽組織、吹鼓手および細楽手の奏楽活動と組織形態を研究し、軍に所属した音楽家とその音楽が17-20世紀の音楽史に果たした役割を明らかにする。
2.20世紀前半の日本におけるアジア音楽研究に対する批判的再検討
「東洋音楽」概念の形成過程を中心として、近代日本におけるアジア音楽研究の初期史をポストコロニアリズムの観点から研究する。
3.ワイヤー録音によるウイグル古典音楽12ムカームの復元研究
新疆芸術学院の研究者との共同研究。新たに発見された、1950年代のウイグル古典音楽ムカームの録音資料を利用して、当時のムカームの音楽様式と演奏習慣を復元的に明らかにする。
4.韓国および沖縄民俗音楽のフィールド録音アーカイブの構築
沖縄県立芸術大学およびソウル大学校音楽大学の研究者との共同研究。過去40年に及ぶ民謡調査の音源をデジタル化し保存するとともに、その公開、活用の望ましい方法について検討する。

授業の紹介

学部:東洋音楽史概説、初級演習、東洋音楽史・音楽民族学講義・演習、楽器学、楽書講読(英語) (以上、楽理科専門科目) 日本・東洋音楽史(専門基礎科目)。アジア諸民族の音楽とその文化的・歴史的背景を知ること、人間と音楽の関係について理解を深めること、民族音楽学の研究手法を身につけることを目標とする。
大学院(修士、博士):音楽学演習(音楽民族学)、音楽学特殊研究(東洋)。民族音楽学および東洋音楽史の理論的諸問題と今日の論点について理解を深めるためのセミナー。報告と議論によってこの学問分野に関する知識と研究能力を高めることを目指す。ここでは広い意味での音楽的フィールド経験をもつことが重要視される。