東京藝術大学 音楽学部楽理科/大学院音楽文化学専攻音楽学分野

藝大プロジェクト2019:クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて

藝大プロジェクト2019     文部科学省国立大学機能強化事業「国際共同プロジェクト」

Zu Clara Schumanns 200. Geburtstag

クラーラ・シューマン生誕200年に寄せて

東京藝術大学では本年、19世紀における稀有のピアノ・ヴィルトゥオーソ、クラーラ・シューマン(1819~1896。旧姓クラーラ・ヴィーク)の生誕200年を記念して、シューマン新全集の校訂者Dr.M.WendtとDr.小澤和子夫妻を迎え、演奏会とレクチャー&ゼミナールを開催します。クラーラは9歳で神童としてデビューし、71歳で公の舞台を引退するまでに1300回を超える演奏会に出演、人生の後期には音楽院で教育活動にも積極的に関わりました。クラーラはまた、多くの芸術家と親交をもち、彼らに創作上の刺激を与えたばかりではなく、自らも作曲家として魅力的な作品を残しました。今回は、クラーラの人生と交錯した芸術家たち、夫となったローベルト(1810~1856)はもちろん、ブラームス(1833~1897)、ヨーアヒム(1831~1907)らの作品を交えて彼女の幅広い芸術活動を俯瞰します。

この企画は、演奏藝術センター主催の3回の公演と(後日、東京藝術大学・奏楽堂・2019で東京藝大HPをご参照ください)と楽理科主催の3回の「レクチャー&ゼミナール」からなります。

ここでは楽理科主催の3回の「 レクチャー&ゼミナール 」の詳細をお知らせします。

 

「 レクチャー & ゼミナール 」
主催・お問合せ:東京藝術大学音楽学部楽理科

楽理科ホームページ:http://musicology.geidai.ac.jp/wp/

メール:geidaigakuri@gmail.com

電話:050-5525-2350(学期期間中平日:9:00〜17:50  8月・9月は不定期)

 

第1回 「クラーラのピアノ協奏曲の時代のオーケストラとオーケストレーション――シューマンのオーケストレーションとの闘い」
2019年10月8日(火)18:30開演(18:00開場) 東京藝術大学音楽学部 5-109 入場料:無料(先着200名)講師:マティアス・ヴェント 通訳:小澤 和子

第2回 「シューマン夫妻のリートにおけるエディションの諸問題」
2019年10月15日(火)18:30開演(18:00開場) 東京藝術大学音楽学部 第1ホール 入場料:無料(先着100名)
講師:マティアス・ヴェント 小澤 和子
ソプラノ:金持 亜実 テノール:寺島 弘城 ピアノ:東浦 亜希子 チェロ:河野 明敏

第3回 「教育者としてのクラーラ:神童の育成:イローナ・アイベンシュッツを例に」
2019年10月17日(木)19:00開演(18:30開場) 東京藝術大学音楽学部 第1ホール 入場料:無料(先着100名)
講師:小澤 和子
ピアノ:鐵 百合奈

 

企画・プレトーク・レクチャー:小澤和子 Kazuko Ozawa音楽学:シューマン研究


静岡県三島市生まれ。1977年東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。1979年東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程音楽学専攻修了後、DAAD奨学生として渡独。1985年『ローベルト・シューマンのアーデルベルト・フォン・シャミッソーによる歌曲集のための資料研究』によりボン大学で博士号取得。1991~2004年シューマン研究所助手。2004~2005年ライプツィッヒ大学非常勤研究員。2006年以来、フリーで研究活動。これまでに『新シューマン全集』Liederband 6 をMatthias Wendtと、同Studien-Skizzenbuch IIIをMatthias Wendtと共同校訂。『シューマン歌曲集』ヘンレ版を6作品校訂。『巨匠と弟子 そして巨匠 クラーラ・シューマンとイローナ・アイベンシュッツ Die Schülerin und die Meisterin. Clara Schumann und Ilona Eibenschütz』をMatthias Wendtと共著。『Merkwürdige Zeiten: Bemerkungen zu Schumanns Neugier』をはじめ、論文多数。東京藝術大学音楽学部特別招聘教授。

企画・レクチャー:マティアス・ヴェント Matthias Wendt 音楽学:シューマン研究


1951年ドイツのヴッパータール市生まれ。1982年ボン大学で『カール・ハイリッヒとヨハン・ゴットリープ・グラウン兄弟のトリオ・ソナタ』により博士号取得。それに続きドイツ研究振興協会(DFG)による初期シューマンのスケッチ帳調査の最初の研究員。1985~1991年、ゲッティンゲンのヨハン・セバスティアン・バッハ研究所の研究員。『新バッハ全集』の多くのカンタータを校訂。1991年からデュッセルドルフのシューマン研究所で『新シューマン全集』の研究員となる。2010年に公式の編集主幹、研究所長となる。研究の主要なジャンルは交響曲、ドイツ・リートそしてスケッチ研究。『新シューマン全集』では自身の校訂の巻だけはなく、外部校訂者による原稿の補足や校正も行い、校訂方針の改訂を行う。また2011年に『シューマン書簡全集』のプロジェクトと一緒にシューマン書簡のデータ・バンクをワーク・イン・プログレスとして設置、音楽家の書簡としては世界で最も大きい約2万のデータが把握されている。2016年に退職。『巨匠と弟子 そして巨匠 クラーラ・シューマンとイローナ・アイベンシュッツ』を小澤和子と共著。論文多数。東京藝術大学音楽学部特別招聘教授。

第2回 「シューマン夫妻のリートにおけるエディションの諸問題」出演者
ソプラノ:金持 亜実 Ami Kanaji


神奈川県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院音楽研究科修士課程、及び博士後期課程修了。「ファニー・メンデルスゾーンとクラーラ・シューマンのリート作品における歌唱表現の提案」のテーマにて博士号(音楽)を取得。現在、同大学声楽科教育研究助手。在学中、藝大定期第343回 藝大フィルハーモニア合唱定期演奏会 シューマン『楽園とペリ』(高関健 指揮)、東京藝術大学音楽学部附属音楽高校 第25回定期演奏会 モーツァルト『戴冠式ミサ』(尾高忠明 指揮)にソリストとして出演。また、奏楽堂モーニングコンサートに選抜され、グリーグ『管弦楽つきの6つの歌 EG177』を、ダグラス・ボストック指揮、藝大フィルハーモニアと共演。その他、J.S.バッハ『マタイ受難曲』、ヘンデル『メサイア』、ハイドン『天地創造』、モーツァルト『レクイエム』、ベートーヴェン『第九』等、宗教曲等のソリストとして活動する他、歌曲や、声楽アンサンブルの演奏も積極的に行っている。第 24 回友愛ドイツ歌曲コンクール入選。これまでに声楽を、辻宥子、三林輝夫、佐々木典子、平松英子の各氏に師事。

テノール:寺島 弘城 Hiroki Terajima


香川県出身。香川県立坂出高等学校音楽科卒業。 東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。 現在、同大学院音楽研究科修士課程声楽専攻3年に在籍。 第66回全日本学生音楽コンクール大阪大会声楽部門高校の部第1位、全国大会第3位。 第66回瀧廉太郎記念全日本高等学校声楽コンクール第2位、副賞としてウィーン短期留学。第13回高校生のための歌曲コンクール優秀賞、副賞としてイタリア短期留学。 第1回K声楽コンクール大学の部第3位。第33回香川音楽コンクール大学・一般声楽部門第1位。その他、多数のコンクールに上位入賞。これまでにバッハ作曲《マタイ受難曲》、ベートーヴェン作曲《第九》、メンデルスゾーン作曲《エリヤ》のテノールソロを務めた。オペラではモーツァルト作曲《魔笛》タミーノ役、ヴェルディ作曲《椿姫》アルフレード役(アンダースタディ)、ジュゼッペ役を務めた。 また第68回藝大メサイアではテノール・ソリストを務め、本年合唱定期でもメンデルスゾーンの《エリヤ》のソロに選ばれた。2013年高松市芸術団体協議会ブルーポラリス新人賞を授賞。平成30年度よんでん文化振興財団奨学生。日本歌曲演奏団体「季 (とき) 」メンバー。 これまでに荒川和瑞子、若井健司、中野勝美、多田羅迪夫、櫻田亮の各氏に師事。

ピアノ:東浦 亜希子 Akiko Higashiura


東京都立芸術高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業、同大学院音楽研究科修士課程および博士後期課程(鍵盤楽器研究領域)修了。学位論文「ローベルト・シューマン《ダーヴィト同盟舞曲集》作品6の再考――「新しい詩的な時代」に向けた作曲手法とは――」と演奏により博士号(音楽)取得。学部卒業時に同声会賞を受賞。大学院修了時に、演奏優秀者によるベーゼンドルファー・ジョイントリサイタルに出演。2007年、ザルツブルグ夏期国際アカデミーにおいて邦人作品演奏への特別賞を受賞、修了演奏会に出演。2008年、シューマンの生地ツヴィッカウで開催された第15回R.シューマン国際コンクールピアノ部門においてファイナリスト・ディプロム受賞。これまでにピアノを山口幸子、西川秀人、深沢亮子、多 美智子の各氏に、室内楽を岡山潔氏に師事。東京藝術大学音楽学部ピアノ科、東京都立総合芸術高等学校音楽科、各非常勤講師を経て、2018年より香川大学教育学部音楽領域(器楽・ピアノ)専任講師。

チェロ:河野 明敏 Akitoshi Kouno
東京藝術大学音楽研究科修士課程第2年次に在籍。

第3回 「教育者としてのクラーラ:神童の育成:イローナ・アイベンシュッツを例に」出演者
ピアノ:鐵 百合奈 Yurina Tetsu


1992年香川県生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業、同大学院音楽研究科修士課程を経て、同博士後期課程に在籍。N&FよりデビューCD「シューマン:ピアノ・ソナタ第3番 ブラームス:左手のためのシャコンヌ」をリリース。『レコード芸術』で準特選盤、毎日新聞で特薦盤に選ばれる。2019年2月よりベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏シリーズを開催、NHKからドキュメンタリーが放映される。日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。高松国際ピアノコンクール審議員特別賞。日本クラシック音楽コンクール高校の部第1位、グランプリ。大阪国際/ローゼンストック国際ピアノコンクール、各第1位。 2017年度香川県文化芸術新人賞受賞。2015年、皇居内桃華楽堂で御前演奏。これまで神奈川フィル、芸大フィル、東京シティ・フィル、高響、名古屋シンフォニア、広響と共演、2020年1月に読響、9月に東響と共演予定。論文「『ソナタ形式』からの解放」で第4回柴田南雄音楽評論賞(本賞)を受賞、翌年『演奏の復権:「分析」から音楽を取り戻す』で第5回同本賞を連続受賞。ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子 Foundation for Youth、宗次エンジェル基金、各奨学生。これまでにピアノを黒田淑子、大山まゆみ、勝郁子、堀江真理子、杉本安子、青柳晋、菊地裕介、ジャック・ルヴィエ、海老彰子の各氏に、フォルテピアノを小倉貴久子氏に師事。

 

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このイベントについての詳細は こちらのチラシ(PDF)、および 演奏会案内 をご覧ください。