楽理科は、音楽とそれに関連する様々な事柄について、学問的に考察する場所です。もちろんここでいう「音楽」は、日本や西洋の古典音楽だけでなく、 古代から現代までに、世界中で創造・演奏されたあらゆる種類の音楽を含みます。こうした「音楽」に対する、研究のアプローチや方法論は実に多様です。 特定の音楽様式を分析するための新しい理論を構築したり、音楽作品の構造を特定の理論に則って分析したり、特定の音楽創造をめぐって哲学的思索を行ったり、音楽が 人々の生活や社会・環境・世界観などとどう関わり合っているかを探ったり、楽譜や文献その他の資料を調べてその歴史を跡づけたりと、多彩なアプローチで研究が行われています。 作曲や演奏など、音楽を実践的に学ぶ音楽専門大学の中に位置し、その恵まれた環境の中で研究活動を行っている楽理科では、「音楽の実践に根差した学問的研究」を目指しています。 楽理科の学生は、さまざまな授業を通じて音楽学の基礎とその応用を学ぶだけでなく、作曲の基礎、演奏、音楽理論なども必修科目として受講します。また、音楽の理解には、 それをとりまく各国の文化への理解が必要不可欠であるという考えから、外国語の修得も重要視しています。