東京藝術大学 音楽学部楽理科/大学院音楽文化学専攻音楽学分野

大学院 音楽学について

東京藝術大学大学院音楽研究科は、修士と博士後期の二つの課程からなっています。
大学院は講座制を採用しており、三つの講座があります。

○カリキュラム(大学院教育研究)

 修士課程の学生は、第一講座(音楽美学/音楽民族学)、第二講座(西洋音楽史)、第三講座(日本・東洋音楽史)のいずれかの研究室で研究にあたり、修士論文を作成します。必修科目として、自らが所属する研究室が開設する「音楽学演習」と「音楽学特殊研究」を2年間履修します。しかし、学生は自分の所属以外の講座に属する演習や特殊研究も履修することができ、また一定の範囲内で学部開設科目を受講することもできます。

博士後期課程では、学生は修士課程と同じく各講座に所属しますが、より高度な研究テーマに対応するために、講座の枠にとどまらない集団指導体制がとられます。テーマによっては、音楽学専攻以外の学科の教員、あるいは学外の専門家の協力を得ることもあります。学生は「博士特別研究」の単位として、1年次には総合ゼミナールでの発表、博士1年次論集への執筆、2年次には博士コロキウムでの発表が義務づけられているほか、学会等での研究発表、学会誌への投稿が強く奨励されます。年1回以上開かれる指導教員会議では、こうした学生の自主的な研究活動に対する評価と今後の研究への指針が与えられます。これらの過程を通じて、博士の学生は独立して研究活動を行うための能力と見識を培い、博士論文の作成に至ります。

○その他(国際交流、留学生の受入れ、卒業後の進路など)

 楽理科卒業生の進路はきわめて多岐にわたっています。音楽教育、ジャーナリズム、芸術文化団体、音楽ソフトの制作・販売などのほか、一般企業や官公庁にも及んでいます。作曲家、演奏家として活躍している人もいます。大学院修了生の多くは、各地の大学や研究機関で音楽学の研究・教育に従事しています。
世界各国からの留学生を積極的に受け入れていることも、楽理科および大学院音楽学専攻の大きな特色の一つです。2008年度には計10ヵ国・13名の交換留学生、研究生、大学院生が在籍しています。彼ら留学生のなかには演奏に秀でた者も多く、研究と実践とのよい関係を築きあげています。授業はもとより、学内外での演奏活動等を通して、日本人学生と留学生、また留学生同士の国際交流も盛んに行われています。